漢字伝来(著者 大島正二)を読み進めています。

たくさん、そーなんだと興味をそそられる内容が続くので、少しずつ気になったところをメモ

・中国から伝来した「鯵 鮒 鮎 鯛」もちろん、これらの漢字は訓読みされています・・・しかし、「鰯」は中国になかった漢字(717年木簡に記載)で日本で作られた漢字、そのあと中国でも使われるようになったとのこと。

・十七条憲法(604年 伝聖徳太子) 全体として「漢文としての読みにくさはあるものの中国の当時の文章のリズムに合致していて内容を十分に表現するだけの名文」という評価と「語順の送りなどに間違いがあり文体的にも文法的にも立派な文章ではない」という評価も。ちょうど、憲法の条文を漢字・漢文の日本語化への過程の一段階ではないかと。

4世紀ころか朝鮮諸国との交流が始まり、仏教も伝えられ、7,8世紀には庶民にまで万葉仮名のようなものから広がり、音訓、仮名かなができる和歌や源氏物語ができる平安後期10世紀11世紀ころ、日本語が文字として形づくられ成熟している期間なのかなと推測してるのですが、700年近くかと思うとどれだけ大変だったかと。ありえないですが、当時の日本語にそった文字ができていたら、このような苦労はなかったのかも、しかも、近代までの日本語は、かな文字なのか漢字も含めてなのか、なんて議論もないだろうし。昨今のキラキラネームや当て字だって、漢字が入ってきた古代にも日本語を漢字に当てはめることはずっと行われたことではないかなと・・・でも、古代からのそういうスキルが脈々と引き継がれてきたからこそ、明治維新で大量の外国語(特に英語)が入ってきたときも、その外国語にあう漢字を作ったりカタカナとうまく組み合わせたりし、江戸が終わってすぐに西洋化・産業化できたのかもしれないと・・・考えてみたり。