SPC訴訟・・・

今日の日経より。

不動産流動化のための特別目的会社(SPC)を巡る訴訟が増えているようです。
08年秋の金融危機を契機に、事業が行き詰まり、
金融機関は、資金の回収活動、
そのため、リターンや投資資金を回収できない投資家が
契約相手のSPCを訴える・・そんな構図のようです。

でも、このSPC、スキームのために組成された机上の会社、
訴えても、実態がないため、なかなか投資資金などの回収まで、
できそうにない。

記事の最後に、
関係者の蜜月が終わった今、
複雑な仕組みがあだとなり、
投資失敗の自己責任の争いとなっている・・・

私が不動産証券化業務に携わっていたころ、
不動産証券化のスキームを組成するときには、
関係者全員で契約書を作成するのが一般的でした。

まぁこういうことはあり得ないでしょう・・・
ということでも、あらゆることを想定した契約書作り、
その作業は深夜に及ぶこともめずらしくない状態でした。

その、
まぁこういうことはあり得ないでしょう・・・

例えば、こんなイメージです。

「不動産の評価が基準値より下がったらすぐに返済する文言をいれてください。」

「了解です。えっ、でも、そんなに高い基準ですか・・・」

「うちでは、この当りまでが基準です。
まぁでも、いくらなんでもここまでは下がらないのではないでしょうか・・?! 」

「そうですね、それでは、その評価基準でOKです。」

この、想定してなかった評価基準が、
今では現実となってしまい・・・

契約書を根拠に必死に資金回収をしようとする金融機関と
契約はしたけれども、そこまで想定していなかった投資家との間で
訴訟にまで発展してしまっているのかもしれませんね。

何事も、慎重にそしてあらゆることを想定し、検討、
そして実行する・・・
わかっているつもりでも、本当に難しいですね。